陰陽師12天空 岡野玲子 原作 夢枕獏2005年08月03日 23時57分

陰陽師12天空 岡野玲子 原作 夢枕獏

陰陽師12巻発売である。
原作小説では、清明と博雅の二人が「ゆこう」「ゆこう」と京の町の闇や妖と出会い、怪異を解決していくというフォーマットでエピソードを重ねていくのに対して、コミック版では原作から離陸し藤原氏の隆盛を影で支えた魔術の執行者としての安倍清明を描いている。

コミック中には陰陽道以外に古代エジプト、西洋占星術、聖書などが混在している。12巻では最初の女性科学者ヒュパティアまで出てくる。

2chを見ると、これに反発する読者がいるようだ。神秘思想がいろいろ絡まりあって出てくるのは気にならず、むしろ興味深いと思う。神秘思想とはもともと語呂合わせのように牽強付会な発想のものだからだ。

むしろ気になるのは全12巻の予定が伸びて13巻完結になってしまったことだ。カバー、表紙、帯の裏面まで陰陽道的に凝りに凝った装丁をしていた祖父江慎氏がどんな13巻を作ってくれるのだろうか。
源高明が烏帽子を落とした描写が出てくるということは安和の変まで描くのだろうか。内裏での射覆で終わってしまうような気もしているのだが